火種はやがて炎に

どんどんヘイトが溜まっていく。

 

こういう結末になることを全く予期していなかったわけではない。10月頃から年末年始の予定を聞いてもずっと生返事だった。それでも気にしないふりをしていた。

 

それには理由がある、彼女は年末に国家資格の試験を控えていて、根詰めるタイプだったし年末年始の予定まで頭が回らないのだろうと思うことにしてた。俺は彼女が試験に受かるよう、あらゆる家事をこなし、好きなご飯を作り、どうにか彼女が合格し振り向いてもらえるように努力した。しかし今考えれば、もう別れることしか頭にないから生返事だったんだと痛感している。

 

彼女はもう別れるつもりだったのにどんな気持ちで俺のご飯を食べていたんだろう?俺はまんまと“便利な男“になっていたのだろうか?そんなことを考える苛立ちが募る。家に帰れば、居るのだ。新たな気持ちでスタートなんて切れるわけがない。

 

元カノは家を探すと言うが1月に入っても決まる気配がないので俺が先に引っ越し先を決めた。本当は1月末で引越&退去で綺麗さっぱりしても良かったが、元カノが家無き子になるが可哀想なので2月末に引っ越すことにした。だがそういう気遣いさえも、霞を食べるような不毛な感情だと苛立ってしまう。